まだまだ、青春したいから

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本を守ろうとする猫の話

いまいち気分が乗らない日々が続き、何かしたいと思い、でも何にも思いつかず。

少しでも今直面している状況から、現実逃避したくて思いついたことが、本を読むこと。若かった頃みたいに狂ったように本が読みたい。久々にそんな衝動がわいてきた。何が読みたいというわけでもなく、近所の本屋にいき新刊コーナーをうろうろ。

しばらく小説を読んでいない。そう思った。最後に読んだ小説は、5年前ぐらいに読んだ村上春樹の“海辺のカフカ”。精神的に参っている時に読んでしまったので、プチ鬱っぽくなったのを今でも覚えてる。それ以来小説は読んだ記憶がない。もっぱら自己啓発本を読みあさった。あの啓発本は結局自分になにかもたらしたのだろうか・・・。読んだことに満足して何も行動に出なかったので意味がなかったような気がする。でも今思うと若干自分に自信が出てしまい、気に入らない相手には攻撃的になり、結局すべてを失ってしまったような気がした。今思うとそんな気がする。

今話題の本は一応知っている。読みたい衝動を抑え手に取った本が“本を守ろうとする猫の話”。表紙はなんともファンタスティックな感じで、いまいちそそられない。作者を見てもピンとこない。

作者紹介をチェックしてみた。神様のカルテを書いた作家さんだ...。お恥ずかしい。そんな有名な作家さんも分からなくなってしまうぐらい本を読むという習慣から遠のいていた。でも読もうと思ったポイントは別の所にある。大阪出身。で信州大学に進学。信州・・・。信州の人間はとても同郷心に弱い。急に作家の夏川草介が気になり始めた。

いつもなら本屋に1時間以上滞在する私が、今日は同郷心であっさり本を選び家路についた。

すぐに読みたかったけれども、読み終わったときの一抹のさみしさを久しぶりに思い出し本が開けない。
結果的には、たった2日間で一気に読んでしまったけれども。

週明け、鞄に忍ばせ会社に向かう。待ちに待ったランチの時間がやってきて、さっさと本と携帯と財布を持ち足早に近くのファーストフード店に入った。ファーストフードならすぐ食べられるので、本をゆっくり読める。

私が想像していたストーリーとはまるで違った。唯一の家族、祖父が亡くなったことからスタートする。暗い。

なんとも卑屈な高校男子が、猫と不思議な会話を繰り広げ、本を救い出すというストーリー。ここから私は何をくみ取れるのか、必死になって読み進めた。そしてドキッとするような話題に移った。本をたくさん読むことを善しとし、一度読み終わった本は鍵付きの本棚にしまい込むという男から本を解放するというという話。うーん。まさに私のことではないか・・・。その男と私の類似点は、一度読んだ本は読み返さない。何でも間でも読むことが善いことだと思っていること。

価値観の相違ということは分かっているけど、なんとも恥ずかしい気分に陥ってしまった。

そんなこんなで、卑屈な高校男子と、不思議な猫が難題を解いていく。

読み終わった、素直な思いは、また狂ったように本を読んでみようと思った。シェイクスピア大江健三郎みたいな敷居が高そうな本ではなく、今月本屋に並んだばかりのできたての本を読んで見ようと思った。いろいろ思う節はあるけど、私はこの今の時代を生きている。どうせなら今の時代に世に送り出されている本を読もう。この本たちは、傑作、ベストセラーと呼ばれても100年後存在するか分からない。今、この時代に産まれてきた本を読んで、一緒に生きよう。この時代にも素晴らしい本がたくさんある。“本を守ろうとする猫の話”を読んで確信した。

本を守ろうとする猫の話